2010年09月11日

【クラッシュシンドロームの話】

【クラッシュシンドロームの話】
上間治療院ではバラコンバンドというゴムのチューブを足や腕に巻いたりするので、よく患者さんから『こんなに強く巻いて大丈夫なの?』と言われます。

30才以上の方は親に『ゴムを巻いたら危ない!』と言われた事があるんじゃないでしょうか?

では、何が危ないのか…

ゴムをグルグル巻きに巻くので血が止まって大変!と言うのですが、グルグル巻きにするのは5分間です。

車の事故で足が挟まった!とか、地震などで倒壊したブロック塀に腕が挟まれて抜けない!ような状態が長時間続くと確かに危ないです。

具体的に何が危ないかと言うと坐滅症候群(クラッシュシンドローム)を起こす危険があるからです。
挫滅症候群(ざめつしょうこうぐん)は、身体の一部が長時間挟まれるなどして圧迫され、その解放後に起こる様々な症候をいう。クラッシュ症候群(またはクラッシュ・シンドローム)とも呼ばれる。重傷であることが見落とされる場合もあり、致死率は比較的高い。


特に腕や足が長時間圧迫されて筋肉が損傷した状態から解放されると、壊死した筋細胞からカリウム、ミオグロビン、乳酸などが血液中に大量に漏出する。

心臓には、筋肉の収縮・拡張により血液を送る固有心筋と、固有心筋を動かすための電気刺激の発生と伝導を行っている特殊心筋があるのですが、体内のカリウム濃度が高くなりすぎると電気刺激を起こす事ができなくなって心臓が止まってしまいます。

安楽死の方法として塩化カリウムを静脈に注射する方法があるぐらいです。

クラッシュシンドロームのある疑いのある人を救助した瞬間に心停止で死亡してしまうケースもあるようです。

手術などの時にも腕の付け根や足の付け根を圧迫して手術中の失血量を減らしたり、術野を確保する為にターニケットという止血帯を使ったりするそうですが、30分おきに『ターニケット30分です』などと執刀医に声をかけ、1時間以上は止めないようにするそうです。

うちの院長は戦時中の例を出して『だから5分ぐらいなら大丈夫なんだよ』と説明してますが…

納得できない患者さんには、ボクがクラッシュシンドロームの説明とか挟んでみようかな♪



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Posted by つかぼ at 01:56│Comments(0)上間治療院
 
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